[U] ゼロから「使える英語」をモノにする(1)〜「英語が使える」とはどういうことか

「英語が使える」といったときに、イメージするのはどういう状態だろうか。

妙に抑揚が強調された感じの英語で将来の夢を語る小学校低学年と思しき女の子?

海外旅行先と思われる場所でちょっとしたトラブルに遭遇し、地元の人に助けてもらってちょこっと英語で言葉を交わす石原さとみ?

記者会見でとつとつと明日のラウンドについて語る石川遼?
(どれも古いCMの例ですまん……)

こういうCMを見て「せめてあの程度には……」と考える人は結構いるんじゃなかろうか。

ケースで異なる必要なスキル

だが、この3つのCMで描かれている状況で必要となるスキルは、実は随分と異なっている。

将来の夢を語る女の子であれば、シンプルな質問に対してほぼ一方的に自分のことを語っている。
(CMで描かれるような)海外旅行先でのやり取りであれば、ある程度は一定のパターンに沿って、事実についての情報のやり取りを中心にして対話が進展していく。
記者会見だと、質問される内容はある程度予想できるかもしれないが、自分自身の考えを(根拠も含めて)論理的に説明することが求められる。

言葉によるコミュニケーションが利用される場面はまさに千差万別。
ケースごとに必要なスキルとそのレベルが異なるので、どの状態になれば「英語が使える」と言えるのかは単純ではない。

スキルの指標はあるものの……

「外国語の運用能力を言語の枠や国境を越えて同一の基準で測ることができる国際的な指標」として、CEFRというのが一般に使われている。
広く使われているだけあって外国語のスキルレベルをうまく整理してある。

しかし、学習者の側が欲しい「じゃぁ、何をやればそのレベルに到達できるの?」についての情報は、そこからは何も見えてこない。
英検やTOEICで対応するのはこのあたりですよ、という目安はあるものの、実際に行動に移すために必要な「具体的にどうすればよいのかまでブレークダウンした情報」が見つからない。

「目標」と「そこに至るまでの具体的で詳しいステップ」のどちらもが見えていなければ、なかなかモチベーションは上がりにくい。
英語の学習に乗り出せない、あるいは早い段階で挫折してしまう人が多いのは、ここにひとつの原因があるのではなかろうか。

具体的に、どういう段階を踏んで「英語が使える」ようになるのがよいのか、次のエントリ以降では、それを考えてみよう。

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