ピーター・ドラッカーにはそれこそ「星の数ほど」の名言がありますが、一番の中核となっているのは
「何をもって憶えられたいか」
という問いでしょう。
ドラッカーがいつも自分自身に対して問い直していたというもの。
この問いに対して、きちんと自分の行動に落とし込める答えを得るには、これに加えて「誰に憶えられたいのか」を明示的に問うべきなんじゃなかろうか、と最近思います。
ビジネスのコンテキストであれば、この「誰」が「顧客」であることはほぼ自明なんでしょうが、この「顧客」を「具体的な個人としての『誰か』」として思い浮かべるのと、「マスとしての『市場』」として捉えるのとでは、考え方の方向性がおのずと違ってきます。
自分が誰に対して価値を生み出していくべきなのか。
そのフォーカスの向かう先を正しく、かつ具体的に考えることが、「本当にやるべきことは何か」という問いに正しく答えるための第一歩じゃないかと思えます。
あるべき方向にフォーカスが向けられていない行動は、無駄なだけでなく有害な場合もありますからね。単なる徒労ではすまなくなってしまうことも有り得ます。
「誰に、何をもって憶えてもらうべきなのか」
「常に問い直すべき問い」はこれ、です。