広島から羽田への機内で一気読み。
「デザイン」というと、どちらかというと視覚的な意匠をイメージしがちです。
この本も、タイトルからは何となくそっち方面のハウツー本に見えなくもありません。
しかし、英語の「design」には「設計する、計画する」という意味もあり、この本で取り上げているのはむしろこちらの方。
最近、情報やメッセージをうまく伝える方法の「設計」について、言葉・言語とは違う方向からのアプローチを学びたいと考えているんですが、その手始めとして読む一冊としてはなかなかのヒットでした。
この本では、視覚的ないわゆる「デザイン(意匠)」にとどまらず、伝えるべき情報を整理する「情報デザイン」についての考え方が示されていて、その点はまさに私が求めていた一冊でした。
切り口として、いわゆる「デザイン」をなりわいとしているような人以外も十分に参考にして応用できるものだと思うのですが、全体的に話があちらこちらに飛んで散漫な印象になってるのが残念。
新書というフォーマットを考えるとさまざまな事例を詰め込みすぎていて、表層的な部分の断片が並んでいるだけ、という感じを受けます。
「伝えるべきなのは何なのか」を明確にして、それを「どのように伝えるべきなのか」を考え、さらにそれに「ふさわしいデザインに落とし込んでいく」過程をロジカルに進めていくにはどうすればいいか、をイメージするためのヒント集、と考えると、優れたテキストだと思います。
この本を手がかりにして、さらに掘り下げて勉強する必要はあるでしょうが……。
以上、最近このWebサイトの「デザイン」にアタマを悩ませている大越でした。