前の記事が思いのほか長くなってしまったので、もう1本。
ブログやSNSでキーボードについて何か言うと、結構な確率で「一言、何か言いたい」方が出てきます。
「KINESISのErgonomics最強!」とか、「DVORAK配列が最も合理的!」ってな話はまず出てきません。親指シフトに言及する人も経験がないですねぇ。
こういうマニアックな話であれば、いろいろと知らない話が聞けそうなのでお付き合いするのにやぶさかではないんですが。
「何か言いたい」タイプの方が勧めてくるのが、たいていの場合「メカニカルキーボード」と「かな入力」。
私も商売道具として長らくキーボードを使っているので、試行錯誤の過程でそのあたりはすでに経験済み。
その上で、「これは自分には向かない」と判断してきたワケで、わりとうんざりします。
メカニカルキーボードは何種類か試してみましたが、打鍵音とスイッチを押し下げるときの摩擦感(ひっかかり感)にどうしても慣れることができませんでした。
何というか、生理的にダメ、っぽいです。
かな入力は、ローマ字入力よりも打鍵回数が少なくなるので手への負担が小さい、と言われます。
しかし、JIS配列のキーボードだと、かな入力ではローマ字入力で使用する頻度が少ない数字キー列まで使うことになるので、指が動く範囲は間違いなく広くなります。
打鍵回数が減っても、動く範囲が広くなることによる負荷の増加はあるワケで、場合によってはトータルでの手への負担が増えることも有り得ます。
私の場合がまさにそれ。
小指が短い(薬指の第1関節と第2関節の真ん中くらいまでしか届かない)ため、JIS配列のかな入力だと結構ムリがかかってしまいます。結果として、小指の付け根に痛みが出るようになってしまい断念。
(薬指で代替させることも可能ですが、そうするとミスタイプが増えるんですよね……)
そういう試行錯誤を経て、現在使っている(そしておそらく今後も使い続けていくと思われる)のが↓これです。
PFU Happy Hacking Keyboard Professional2 白 英語配列 USBキーボード 静電容量無接点 UNIX配列 WINDOWS/MAC両対応 ホワイト PD-KB400W
「自分が今使っているモノ」を勧めたい、という気持ちはわからんでもありません。
しかし、勧められる側にとっては「その選択肢に至るまでの過程」が重要だったりします。
そのあたりを丁寧に説明する必要があるんじゃないか、と、思う次第であります。
以上、自戒を込めて、大越でした。