メインマシンをUbuntuに移行するにあたって一番心配だったのが「ICカードリーダーが使えるか」ということでした。
交通系カードの使用履歴の読み取り・記録と、e-Tax使用時の住基カードの読み取りが目的です。
e-TaxについてはLinuxは対応環境に含まれていないのでVirtualBox上のWindowsから使うことになりますが、Suicaなどの交通系カードの履歴をLinux上で参照するツールは公開されているので、そちらは何とかやりたいところ。
以下のサイトを参考にして、必要なライブラリを導入しました。
やまものブログ: Ubuntu 13.10 で SonyのPaSoRi (RC-S330) を使う
kludge works: Ubuntu 11.04 で SonyのPaSoRi (RC-S330) を使う
しかし、うまくいかず。
そもそも機器の接続を認識していない?
手持ちのRC-S330を接続して、ターミナルからlsusbでUSBデバイスを確認してみると、正しく接続されていれば下記のようにデバイスの情報が表示されるはずなんですが……。
Bus 003 Device 007: ID 0853:0100 Topre Corporation HHKB Professional
接続しているPaSoRiの情報は見当たりません。
これはFelicaを使うためのライブラリがどうのこうのという以前に、機器の接続が認識されていないということ。
この状態では、VirtualBox上のゲストOSからも使用できません。
いろいろと調べてみると、「ASRockのマザーボードは、新しめのコントローラを搭載していることがあり、Linuxのカーネルが対応していない場合がある」ってな情報がありました。
カーネルレベルでダメとなると、新しいカーネルが出てハードウェアに対応してくれるのを待つしかありません。
いずれにしても手詰まりなので、当面放置しておくことにしたのですが……。
接続するポートを変えたら認識された!
先日、マイクとWebカメラを導入してSkypeが使えるようになり、仕事も一段落して時間に少し余裕ができたので再度この課題にチャレンジしました。
そこでふと、Happy Hacking Keyboard Pro2(HHKB)のハブにPaSoRiを接続してみたらどうなるか、と思いつきました。
HHKBはlsusbで認識されていることが確認できているので、ここにぶら下げればPaSoRiも認識してくれそうな気がします。
結果は、大当たり。
lsusbで下のような情報が表示され、きちんと認識されていることが確認できました。
Bus 003 Device 010: ID 054c:02e1 Sony Corp. FeliCa S330 [PaSoRi]
認識されなかったUSBデバイスが接続するポートを替えると認識された、ということはあるみたいで、リクツはよくわかりませんがいわゆる「相性」問題のひとつなんでしょうか?
ともあれ、これでPaSoRiをVirtualBox上のWindowsから使えるようになりました。
(VirtualBoxのゲストOSでUSB機器を使うまでにはハードルがいくつかあるんですが、それについてはまた稿を改めて……)
最終的に、「SFCard Viwer 2」による交通系カードの読み取り、住基カードを使ったe-Taxの利用まで、VirtualBox上のWindowsで可能に。
これでWindowsネイティブの環境がなくても、ひと通りのことができるようになりました。
Ubuntuマシンの運用に目鼻がつくまでは、と思って温存しておいたThinkpad X201iも、SSDに換装してUbuntuマシンにすることができます。
これもいろいろとハードルがありそうなので、またブログネタがたまりそうですなぁ……。