修道大学による「コミュニケーション能力開発講座」を受講してきました。
言うまでもなく「翻訳」というのはコミュニケーションにかかわる仕事なのですが、もっと一般的なところから見た「人間関係の基本としてのコミュニケーション」について見直してみたくなったのが、受講した一番大きな動機です。
毎回ロールプレイなどのワークショップがあり、アタマで「わかっているつもり」になっていたコミュニケーションの要点をもう一度体験的に見直すことができたのは大きな収穫でした。
中でも、「コミュニケーションを成立させるのは伝える側と受け取る側の共同作業」であることを改めて肌で感じました。
翻訳の場合も、原文の書き手・翻訳者・翻訳物の利用者の共同作業によって「コミュニケーション・チェーン」の質を高めていくのが理想です。
しかし、翻訳業界(特に文芸・出版系を除く産業翻訳業界)で現在主流となっている翻訳会社/エージェントを利用するスタイルだと、どうしても業務全体が「伝言ゲーム」と化してしまいます。
また翻訳者の側も、そういう共同作業に加わるにあたって必要とされる姿勢・態度をとれていないケースが少なくありません。
そういう視点から今の「翻訳の仕事」を見直すことができたことは非常に大きかったと思います。
また、こういう「コミュニケーション・スキル」についての書籍やセミナーが多数ありますが、そういった中でもまだ「十分には語られていない部分」があるように感じます。
翻訳の仕事の中で積み上げてきた知識や経験をベースにして、その「欠けているピース」を提供するための何かができそう、というアイデアも出てきました。
今年中には何らかの形にまとめたいと考えていますので、乞うご期待
(と自分にプレッシャーをかけてみる……(笑))。