「子どもの筆記具は鉛筆」は正しいのか?

妻が息子用にこんなものを見つけてきました。

Pelican griffix® pencil

回転繰り出し式の芯ホルダー(芯径は2mm)なんですが、グリップが正しい持ち方に誘導する形状になっていて、右利き/左利き用が用意されています。

同じようなコンセプトの製品として、LAMYのABCスタビロのイージーエルゴがありますが、不思議なことにこういう製品を作るのが得意そうな日本のメーカーからは出ていないんですよね。
鉛筆に取り付けて正しい持ち方に誘導するようなホルダーなら多少はあるようですが。

日本のほとんどの小学校がシャープペンシル/メカニカルペンシルの持ち込みを禁止しているから、というのが大きな理由なんでしょうが、ずいぶんと不合理だよなぁ、と思います。

小学校の低学年くらいの子どもが、鉛筆で「正しい筆記具の持ち方と書き方」を身に付けるのは、かなり難しい課題になります。

鉛筆って、一般的に使われている筆記具の中でもダントツに「細い」んですよ。
細い筆記具を一定以上の筆圧をかけながらコントロールする作業は、大人であっても結構手に負担がかかります。軸の太い筆記具と比べてみればその差は歴然。
子どもにとっては大人以上に難しい作業になるはずです。

筆記具のきちんとした持ち方・書き方を身に付ける、という目的から言えば、最初に与えるべきものではないと思うんですけどね……。

小学校での「シャープペンシル禁止」の理由についてはいろいろと見聞きしますが、結局のところは「『みんな一緒』でないと問題が起きるから」ということに尽きているんですよね。
だったら、いっそのこと学校指定で全員購入必須、ってことにしてしまってもいいんじゃないでしょうか。

griffixやイージーエルゴは、日本の通販サイトでは1500円くらいの価格が付いていますが、本国では5~6ユーロ(650~800円くらい)で売られています。
日本のメーカーでも、「学校での使用不可」というハードルがなくなれば同程度の価格で実現できるでしょう。

国内メーカーで唯一、似たようなコンセプトの製品と言えそうなコクヨの「鉛筆シャープ」なら1本200円足らず。
コクヨ 鉛筆シャープ 芯径1.3mm ブラック PS-P101D-1P
コクヨ 鉛筆シャープ 芯径1.3mm ブラック PS-P101D-1P

だいたい鉛筆半ダース分くらいに相当する16本入りの芯が200円。
キャンパス シャープ替芯 1.3mm【2B】 PSR-C2B13
キャンパス シャープ替芯 1.3mm【2B】 PSR-C2B13

初期コストは鉛筆と同程度、ランニングコストは鉛筆よりも安くなるんですけどね……。

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