[U]【書評】小倉昌男「経営学」

小倉昌男 経営学
小倉 昌男
4822241564

「経営学」というタイトルになっていますが、基本的には「クロネコヤマトの宅急便」が生まれて今のように成長するまでの物語。
しかし、「経営のひとつのお手本」としては、これ以上のものは他にあまりないんじゃないかと思うほど充実した内容になってます。

今や利用していない人はいないだろうと思われるほどに成長したサービス、宅配便。
その先駆けとなったのがヤマト運輸の「宅急便」ですが、この本を読むとそれがまさにひとつの「イノベーション」だったことがよくわかります。

かつてのトラック業界では「大口顧客を確保・一定のルートを定期配送」がメイン。
現在の宅配便が扱っているような「各家庭からの小口荷物」の輸送は、儲からないから官業の郵便小包に任せる、というのが常識だったワケです。

「ニーズがあるんだからビジネスになるはず」と踏んでこの分野に乗り出したのがヤマト運輸。
その実現と発展のプロセスが語られているんですが、これがそのまま「ユーザー視点からのイノベーション」「サービスマネジメント」の教科書にできそうなストーリーになってます。

詳しい内容はぜひ読んでいただきたいのですが、「ユーザーにとってのメリット」をある意味愚直に追求した結果、あの「クロネコヤマト」があるんだという気がします。

ほぼ日刊イトイ新聞にヤマト運輸の会長が語った「クロネコヤマトのDNA」という記事がありますが、その「DNA」の「原点」に触れることができる1冊です。

小倉昌男 経営学
小倉 昌男
4822241564

 

以上、もっと早くこの本を読んでおきたかった……と少々後悔モードの大越でした。

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