どちらかと言えば、太く短いタイプの筆記具が好きな大越です。
私自身は2mm芯の筆記具としてはドロップ式の芯ホルダーを愛用していますが、より一般的にはシャープペンと同様のノック式の方がなじみやすいと思われます。
2mm芯のシャープペンはステッドラーのものや建築現場用の製品があるんですが、いずれも「知る人ぞ知る」と言った感じのもの。
そこに出てきた北星鉛筆の「大人の鉛筆」は、なかなかうまくツボを突いた製品だと思います。
鉛筆へのノスタルジーをかき立てるデザインとネーミングに惹かれる人も多いでしょう。
ただ、個人的にはこの製品、「鉛筆」であろうとこだわり過ぎなんじゃないか、と思ってます。
全長が未使用の鉛筆と同じくらいあります。
これが他の2mm芯ホルダーと比べると、えらく長いんですよ。
写真は右下から順に、
- ステッドラー「マルス ルモグラフ」(鉛筆、未使用)
- 北星鉛筆「大人の鉛筆」
- BiC「クリテリウム」
- コヒノール「TOISON D’OR 5900」
- カランダッシュ「FIXPENCIL 884」
- 三菱uni
この「長さ」が原因でいろいろと問題が。
扱いにくい重量配分(バランス)
シャープペンなので、中には芯を送り出す機構が入っており、全体の重さは鉛筆より重ため。
長さ方向にわたって重さが均一な鉛筆と同じように軸の中央付近に重心をもってくるためか、後端のノックボタンは金属製でやや重さがあるものになっています。これにより、重心の位置は中央から若干前寄りになっています。
このバランスが微妙に扱いにくい。
全長が長くても、鉛筆のように軽ければバランスがとりやすいのですが、この「大人の鉛筆」の長さと重量配分はどうも扱いにくく感じてしまいます。
ノック時にワンアクションで持ち替えられない
また、機構としては「シャープペン」なので、芯が短くなってきたらノックして芯を出す必要があります。
全長が長いと、ノックをするための持ち替えがワンアクションではできず、結構面倒。
手の小さい人だと、かなりの煩わしさを感じそうです。
「鉛筆」の外観にこだわってこのデザインになっているのだろうと思いますが、ツールとしての機能に対してはマイナスになっていると思わざるを得ません。
個人的には2mm芯を使うならノック式よりドロップ式だと思っているので採点が辛くなりますが、常用のツールとしてガシガシ使えるものではないなぁ、というのが正直なところ。
もともと鉛筆は使っていくウチに短くなっていくものなのですから、この長さにこだわる必要は特になかったと思うんですけどね。