調査が進展していくにつれて発見される異常箇所が増えるかも、と思っていましたが、予想を超える状況だったようで。
北海道新聞より。
レール異常 新たに170カ所 JR北海道 許容値を誤って認識
レール異常、28年間誤認か 保線員、知識なく JR北海道
他のJR各社も緊急点検に乗り出しました。
利用客の「安心」を獲得するにはそれしかないでしょうね。
今回の事件、JR北海道の経営体質を問題にして批判する声が高まっています。
まぁ、仕方がないことではあるんですが、そこを批判して根本的な問題解決になるか、というと疑問に思います。
問題の直接の原因は、基本的にヒューマンエラーなワケですよ。
従業員の世代を超えて長期的にヒューマンエラーを防止していくには、現場からのボトムアップの教育が必要になります。
それが不可能になってしまうような状況を作り出してしまった経営体質は批判されるべきではあります。
でも、この状況を改善して再建につなげるにはどうすればいいのか?
鉄道をはじめとするインフラの維持・管理には人手でやるしかない作業が多く、当然、それを行う人材の教育・訓練のコストもかさみます。
合理化・効率化を求める圧力が弱まることはないでしょうし、労働力人口の構成の変化によって知識や技術の伝承に苦労している姿は、インフラ関連業界に共通しています。
インフラは社会資本。
その管理の不備を単なる一企業の経営体質の問題として見てしまうと、問題を本質的に解決することができないんじゃないかと思うんですが……。
以上、かつては道路インフラの維持管理関係業務で走り回っていたことのある大越でした。