オーソドックスな「定型文+ロールプレイ」
外国語学習の入門〜初級段階というのは、実はモチベーションを高めるのが一番難しい段階だったりする。
言語の学習って、おおむね文字・発音→単語というところから入っていくのだが、モノゴコロついて以降だとこういった知識の新鮮味は薄れている。
未知の文字を使う言語だと、文字が読める/書けるようになるだけで「ムスカ大佐」状態になれるので、それだけでそこそこ楽しめたりするのだが、英語だとこれも望み薄である。
また、商品名その他に織り込まれた英単語もかなりあるから、入門レベルの単語では「外国語に触れている」という感覚にも乏しくなる。
小学校で教科化された英語の授業では、文法事項をすっ飛ばして、
How is the weather today?
What kind of animal do you like?
Which do you like better, dogs or cats?
みたいな疑問詞疑問文を使った応答をさせるらしい。
これ、雰囲気としては海外旅行のガイドブックなどにオマケとして記載されている外国語入門のノリに近いものがある。
定型文であっても、自分でが使った外国語が相手に伝わるというのはうれしいもの。
教育上の効果その他については議論もあると思うが、外国語に対するモチベーションを刺激する方法としてはオーソドックスなパターンと言える。
やり方によってはそれなりの効果があるだろう。
ただ、教室でのロールプレイングだけではリアリティに欠けるし、刺激も単調で一過性のものにとどまってしまう。継続的かつ多様なインプットでモチベーションを刺激し続けることが鍵になってくる。
小さな「わかった」を最大限に楽しむ
言語運用能力の成長は、インプット量に大きく依存する。
モノゴコロついて以降に学習する外国語の場合、入門〜初級段階では理解できる内容に限界があるため、インプット量を増やすのも簡単ではない。
だが、「モチベーションを高めるための刺激」として考えれば、インプットされたものをすべて理解する必要はない。
そこに未知の世界が広がっていて、それを理解する手がかりを自分が手にしつつあることを感じられればよい。
前の記事で挙げたツイートには、以下のツイートを返信した。
中級レベル以上だと、
「曖昧だったり、矛盾を含む説明を自分なりに咀嚼できる力」
が必要かな。
これは能力というよりも性格的な要素だな。
「これはとりあえずそういうこと」と飲み込んでしまえるいい意味での「いい加減さ」。
「わからない」ことを嘆くより、少しでも「わかった」ことを(針小棒大でかまわないので)盛大に楽しめるメンタリティ、ってのも重要。
語学に限らないけど、小さい「わかった」をいくつもつなげて大きな「わかった」につなげる過程を楽しめるかが大事。
「中級レベル以上」と書いているが、よく考えればこれは入門〜初級レベルにも当てはまる。
むしろ「わかっている」ことが少なく「わからない」ことだらけの入門〜初級レベルでこそ、小さな「わかった」を最大限楽しむことが重要になってくる。
早い時期にこの小さな「わかった」をたくさん、しかもできるだけ短期間に積み上げていくこと。
これが、外国語学習を軌道に乗せる鍵になる。
※ 具体的な方法については別途書くつもり(多分、noteの有料記事として)。