少し前のことになりますが、こんなブログ記事がありました。
eshima.info
顧客の思い入れを考慮に入れる
かいつまんで言えば、
携帯電話のキャリアを乗り換えることになり、
これまで使っていたキャリアのショップで「何か手続きは必要?」と尋ねたら、
スタッフに思いのほか素っ気ない対応をされた。
長年使ってきたそのキャリアには愛着もあったのに、何だかガッカリ。
という話なんですが……。
こういう「事件」って、程度の差はあってもかなり頻繁にあちこちで発生することですよね。
人は、購入する商品やサービスに対して必ず何らかの「期待」をします。
と言うか、「期待」があるから購買行動が発生するんですが。
で、買い手側が抱くこの「期待」って、かなりの高確率で売り手側の想定よりも高い水準のものになってるのが現実です。
売り手側は、買い手側に何らかの「ニーズ」があって、お客さまはそのニーズを満たすために商品やサービスを購入するものだ、と割と単純に考えています。
なので、その「ニーズ」を満たせる商品・サービスを提供できれば買い手は満足する、と考えます。
でも買い手側は、単に「ニーズを満たす」こと以上のものを「期待」している場合がほとんど。
処理の迅速さやスタッフの丁寧な対応、ロイヤルティの高い顧客への特別扱い等々。
中には理不尽な「期待」が含まれるケースもあるでしょうが、買い手側の「期待」には「購入する商品・サービス自体」だけでは満たされないものがほぼ常に含まれます。
こうして、売り手側と買い手側で考えている「満足」のレベルにギャップが発生します。
このギャップは、発生するポイントや程度の差はあるものの、「買い物」という行動においてはすべてのケースで生じると言ってもいいでしょう。
お客さまは常に(多かれ少なかれ)欲求不満を感じているワケです。
「サービス工学」の世界では、この欲求不満を小さくするために、顧客の期待をうまくコントロールすることの重要性が説かれます。
ただ現実には、売り手側は単純に「質の高い商品・サービスを提供すれば満足してもらえる」と考えるだけで、買い手側の「期待」をきちんと把握することすら意識していないことがほとんどじゃないでしょうか。
上に挙げたブログ記事の例などは、恰好の「他山の石」ですね。