[U] ゼロから「使える英語」をモノにする(5)〜すべての始まりは「2語文」から

言葉は「スケルトン」に「部品」が組み合わさった仕組みになっている、と書いた。
外国語を学習するときには、このうちまず「スケルトン」の部分をきちんと把握していくことが重要になる。

このスケルトンの学習、当然だがそも最もシンプルなユニットから学んでいくのが理にかなっているのだが、実はこの「スケルトンの最もシンプルなユニット」はどの言語でもほぼ共通している。

単語の次は「2語文」

子どもが言葉を身につけていくとき、一番最初の段階では「単語」を覚えていく。
その次が「単語と単語を組み合わせる」段階になるのだが、ここで最初に身に付けるのが日本語の場合での「2語文」である。

「りんご、たべる」「ママ、好き」「うんち、出た」etc.

これらの2語文は、すべて「用言(動詞)+(広義の)目的語」になっている。

複数の語を組合せたコミュニケーションが始まる最初の段階が、何らかの対象物(目的語)に対する動作や評価(用言)をシンプルに示す「2語文」になるのはごく自然な流れである。
これは日本語の例だが、他の言語でもこの流れは基本的に同じである。

英語では「3語文」、でも基本は同じ

日本語の場合は主語が不要なので、用言と目的語で構成される2語文になるが、英語のような文法的に主語が不可欠な言語では主語+用言(一般的には動詞)+目的語の3語で構成されることになる。

※ 厳密に言えば、入門・初級で学ぶ文には目的語の部分が前置詞句になったり、動詞+前置詞の「動詞句」に目的語がつく形の表現も多いが、ここでは文法についてあまり掘り下げた説明は避けておくことにする。

「2語文段階」の最初期では、まずは自分自身のことを言うことから始まる。
英語の場合、動詞の原形(辞書の見出し語として出てくる形)をそのまま一人称単数(「私」)の現在形として使える。

したがって、英語でのコミュニケーションの最初期段階(子どもが2語文を習得する段階)で身につける基本は

I(私) + 動詞(原形)+ 目的語

という形になる。

「2語文」パターンは学習の起点

「ゼロから英語を学ぶ」ときには、まず「このパターンの文をともかくたくさん作ってみる」ことをおすすめする。

実はこのシンプルな文、英文法学習の起点としても非常に都合がいい(詳しくは今後書いていく)。
英語でも「始まりは2語文」なのである(実際は3語以上になるんだけど)。

まずはこの点をしっかりと身に付けるところから始めよう。


ここではひとつのエントリをあまり長大にしたくないので省くが、さらに詳しい解説や例文を加えたバージョンを今後どこかで公開していく予定。

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