時にはキーボードを離れて~文具の魔界・芯ホルダー編

約20年前、私が最初に就職した会社はいわゆる建設コンサルタント。
報告書などの書類を作成するときに、手書きの原稿をワープロのオペレーターに渡して清書してもらう、という業務フローがギリギリ残っていた時代でした。

そのとき原稿書きに使っていたのが0.7mmか0.9mmの太芯シャープペンシルでした。
軟らかめの濃い芯を使えば筆圧をあまりかけなくてもラクに書けるため、かなり大量の文章を書いても疲れにくく、重宝していました。

そのうち、会社がPCのワープロソフトを使って自分で報告書を仕上げる業務フローに移行しました。
「文章を書く」といえば「キーボードを叩く」こととほぼ同義、という時代に突入し、そのまま現在に至っています。

しかし少し前から、意識してある程度まとまった文章を手書きしてます。
人に見せるものではなく、自分用のメモの類ですが、キーワードだけでなく文として意味が把握できるような形であれこれと書きとめるようにしています。

これが何だか新鮮な感じ。

キーボードで文章をつづっているときとは、思考の流れが変わって、脳の別の部分を使っているような感覚、とでも言いましょうか。
結構いい気分転換にもなります。

この作業に最初は万年筆を使っていたのですが、ここのところ芯ホルダーを主に使うようになっています。

使ってみて思うのですが、鉛筆(の芯)の書き味には独特の魅力があります。
北星鉛筆の「大人の鉛筆」というヒット商品が生まれたりしているのも、単なるノスタルジーではなく、「それを使って書く」という行為に快感があるからでしょう。

シャープペンシルのポリマー芯では、どうしても書くときにキシキシとした摩擦感が伴います。0.9mmくらいの太芯になればかなり軽減されますが、紙の質によってはそれでも気になることがあります。
鉛筆や芯ホルダー用の芯のような黒鉛芯では、(安価な粗悪品でなければ)ほとんどそういうことはありません。
スルスルと気持ちよく書くことができます。

先日、「日本の小学校がシャープペンシルを禁止しているのが解せない」という内容の記事をアップしましたが、鉛筆にアドバンテージがあるとすればこの書き味でしょうね。

自分の手になじむものを探しているうちに、手持ちの芯ホルダーがかなり増殖してきたので、備忘録代わりに順次ご紹介していこうか、と思っていますので、(お好きな方は)乞うご期待。

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