[U]「石ころは楽しい」の入口として〜資料メモ「日本の石ころ標本箱」

恐竜からスタートして岩石・地質(というより石ころ)に興味を持ち始めた息子の実地教育をどうすればいいか、と思っていたときに見つけた1冊。

日本全国の採集ポイントをガイド

現在、河川改修があちこちで進んでいて、「川原の石ころ」を安全に採集できる場所というのは意外に少なくなってきている。

著者による「石ころ本」は何種類か出ており、なかなかの「石マニア」のよう。

中でもこの本は、採集に適したポイントを日本全国にわたって、国土地理院の地形図を使ってしっかりと紹介している珍しい1冊。
これさえあれば、今からでも近場に石ころを集めにいける。
(そういう需要はものすごく少ないだろうが……(苦笑))

記載の岩石名には要注意

ただしこの本、その場所で採集できた石を写真で紹介しているのだが、それにつけられている岩石名に若干マユツバなものが散見される。

たとえば「緑色岩」「ヒン岩」といった学術的な定義が不定・あいまいな岩石名を頻繁につかっていたり、「川原の石を肉眼で見ただけで、そこまで言える?」というレベルまで踏み込んだ岩石名をつけていたりするあたりには、ちょっと問題を感じる。

とは言え、こういうテーマのガイドブックは他にはない。

小学校低学年くらいの子どもだと、実際の露頭に行って岩石を採取するのはまだ難しいので、こういうところを入口にするとちょうどいい。

この1冊から、宮沢賢治のような人物に育っていく子どもが出るかもしれない。

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