先日、浅羽祐樹氏の「したたかな韓国」の書評をアップしました。
したたかな韓国―朴槿恵(パク・クネ)時代の戦略を探る (NHK出版新書 402)
これについて、ご本人(@YukiAsaba)が以下のようなツイートをされています。
『したたかな韓国』は大統領選が終わってから書き出し、2月中旬に脱稿。それからわずか半年で、自分で言うのは忸怩たる思いだけど、すでに「古い」感じがする。相次いで「反日」判決を書いている韓国司法を分析しないことには、韓国社会も日韓関係も分からなくなってしまった。
— Yuki Asaba(浅羽祐樹) (@YukiAsaba) August 25, 2013
こういう点を踏まえての論考がこれ↓。
「反日」化する韓国司法 ―― なぜ「解決済み」の問題が蒸し返されるのか
これを読むと、他国のことながら韓国の今後が心配になりますね。
二国間で(少なくとも形式的に)合意して持続してきた枠組みについて、法律を遡及的に適用して政府の法的立場を変えさせる、というのは、いくら何でも論理的に国際的に受け入れられにくいんじゃないでしょうか。
また、潘基文・国連事務総長がその中立性に疑念を抱かれるような発言をしたことも、国際社会ではマイナスに働くんじゃないかと思われます。
法律・条約よりも国民の情緒が優先される国情から「国民情緒法」という言葉が生まれる韓国ですが、その内向きの論理はそのまま対外関係にも通用するモノではないワケで……。
韓国人のこのあたりのメンタリティについては、小倉紀蔵氏の以下の著作が参考になります。興味のある方は一読をお勧めします。
韓国は一個の哲学である―「理」と「気」の社会システム (講談社現代新書)
小倉 紀蔵
韓国人のしくみ-<理>と<気>で読み解く文化と社会 (講談社現代新書)
小倉 紀蔵
ただし韓国は、従軍慰安婦問題を「戦時下における女性の人権問題」という文脈に位置付けることで国際的に広い支持を取り付けることにも成功しています。
この問題、日本にとっても「成熟した近代国家」としての外交ができるかどうかが問われる試金石になるんじゃないでしょうか。
以上、「韓国人とガチで論争してやる!」と意気込んで韓国語を勉強し始めたものの、まだまだその域にははるかに遠い場所にいる大越でした。